シックスシグマ⑱(どう分析するのか?)

2008年2月19日

シックスシグマ

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Wekaに関する記事はweka データマイニング記事よりご覧ください。

プロジェクトは生産効率を向上させる(=例えば、100単位/分の生産を120単位/分など)ことで、約20弱ある生産工程から律速になっている工程をカイゼンすることを目的に、当該工程を事前調査していった。

ある程度、要因を把握し、問題解決型の活動へと進めてきたのがここまでの記事である。

そのなかで、最も問題となったのは、「ある仕掛品が搬送中に割れてしまう」という単純なものであった。さすがに、管理下にあるだけあり、これまでに大きな問題は解決済みであった。

さて、これまで述べてきた手法で、ここから、実際に特性要因図を用いるが、この問題に影響を及ぼすのは3要因であった。で、それぞれの要因について生産上管理されていない箇所のデータを新たに取得し、管理されているデータとあわせることで、分析の舞台を整えた。

当たり前の話だが、D(問題定義)、M(測定)のフェーズはシックスシグマ(に限らないが)では最も重要である。

前回の記事の図から、この問題で使用する統計解析はANOVAである。その前に取得したデータの等分散検定を行うが、事前にデータが正規分布か否かの検定を行わなければならない(Y.SwetakeさんのHP-エクセル用のマクロプログラムでは、エクセルで使用できるマクロをダウンロードできます。有難い!)。

そして、等分散かどうか検定し(これはエクセルの分析ツールで使用できます)、平均値を検定したり、バラツキの影響を数値化したりするのである。(ちなみに、搬送路をカイゼンし前回の記事の図の下限を下げるという方法もあったが、繁忙期がつづくため、それは却下されていた。)

そして、ようやく、バラツキを低減する原因を捕まえたが、それは、生産工程のレイアウトを変更することが必要で、通常であれば実施することができるが、研修プロジェクトの期間が繁忙期であり、実施にGOサインが出ていなかった。

そうすると、平均値をシフトすることが解決策となるが、それは、素材の設定見直しが必要で、開発チームは、すでに、実験計画法を用いて最適化を行ってはいたが、これはこれで仕様自体を変更しなければならず、時間のかかる解決策となってしまう(品質確認期間が必要のため)。

・・・若輩者のチームリーダーが率いるチームは万策尽きたのであろうか。。。


(「シックスシグマ⑱(どう分析するのか?)」了)
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