マーケティング⑨(価格の設定)

2008年6月22日

マーケティング

t f B! P L
価格設定の必要が生じるのは、新製品を開発するとき、従来の製品を新しい流通チャネル他地域に導入するとき、新しい契約業務に入札するときであり、ほとんどの市場には3つから5つの価格ポイントがあるのでそれ相応に価格を設定する。

その目的は:
  • 企業は生き残りを追及
  • 利益最大化を狙う
  • 市場シェア拡大
  • 製品品質のリーダーシップを目指す
ことを目的としている。

企業内部では、コスト、需要を見積もる。特に、マーケッターは価格の弾力性を知っておく必要がある(価格弾力性(Wikipedia):価格変化に対する重要の敏感さ)。

*    *    *    *

身近な例では、”ラーメン”に関するケースが考えやすい。「行列のできる」ニッチな高級ラーメン店、幸楽苑(Wikipedia)ラーメン一番本部(Wikipedia)のように価格に挑戦する企業、はたまた、インスタント麺(「カップヌードル、値上げの影響で売り上げ半減」は価格弾性力を考察しやすい例、また、顧客とのコミュニケーションで有名タレントを使用したが、効果がないことも興味深い)など種々の業態で種々の企業が参入している。

ここでは①低価格化、②低価格ラーメン店のショッピングセンター(以後SC)参入について考える。

  • 低価格化
低価格化で成功するには、他の企業が模倣困難なシステム(製法など)を構築することが重要である。仕入先、機械化、マニュアル化による作業スキルの不必要性(=低労働単価)、などである。簡単に模倣されては、単なる値下げになり、客単価は低下、利益低下につながる。競合は、ラーメン店ばかりでなく、牛丼店、ハンバーガー店に広がり、立地や価格設定は慎重を要する。

また、成功した場合に「上場」すると、市場から常に「成長」を求められるので、利益の源泉をさらに増加しなくてはならず、経営管理上の負担になる。将来的に、蓄積された利益を円滑に他の利益の源泉へ注力しなければならないことを考えると、長年のR&Dすら嫌う最近の市場であるから、経営管理力を十分蓄えた上で望まなければならない。

  • SC進出
SCでは、言ううまでもなく、顧客は消去法で食事を選択している。あまりブランドは関係ない。残念ながら低価格ラーメン店は有名なハンバーガー店ほどブランド力はない。低価格ラーメン店がこれまでの展開スキームと同様なのであれば、あまり出店しない方がいい。出店するなら、ブランド(店名)を変えることが望ましい。

ただ、SC内は競合が目に見えているので、顧客行動を分析できる絶好の機会でもある。ポイントカードなどにより、顧客を分析すれば、本業の展開(立地や価格)にとっては大きな財産である。それを踏まえた財務会計の構築も当該企業にとっては、ひとつの経営力である。

・・・いずれにせよ、第一は市場の把握、推定、損益分岐の確認です。

<参考書籍>いずれの書籍も「価格設定戦略と価格プログラムの策定」の章を参考。

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