時代の分かれ目-リストラ、分離独立

2008年7月15日

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企業の相次ぐリストラ、分離が報道された週であった。
  • シーメンス17,000人削減
  • GE、家電事業を分離

記事はそれぞれ、2008.7.10 日経産業新聞4面、2008.7.11 日本経済新聞9面(朝刊)を参照。

記事によれば、シーメンスは
複雑な企業組織を簡素化するとともに透明性を高め、事業プロセスを早めるのが狙い。これによって景気が減速してもコストを下げて成長できる」とレッシャーは言っている。リストラ人員は全世界の従業員の約4%で、技術系社員も例外ではない。

問題は、企業の業績である。シーメンスは、彼(レッシャー)の前任者達の不正支出など負の遺産が発覚し退任に追い込まれている状況であったが、業績は決して悪くはない

景気の減速具合もはっきりしない中、それに備えてリストラとは、考えられないことである。業績を支えてきた従業員は何だったのだろう?改革の仕方を知らないトップを迎えた企業は悲惨である。

現実に、景気が減速してきた頃、彼らにはコストを下げる余力はない。結局、再びリストラするであろう。そうしているうちに、企業の力は削がれていく。技術系の企業であるから尚更である。

大胆なリストラによるコストカットは、内部昇進者でなければ、誰にでもできる。問題は、その資源をどうするかで、ここから、レッシャーの経営力が診断される。

今後は、おそらく、組合との泥仕合が続くであろう。

*  *  *  *

GEはこれまで、創業事業は温存してきたが、今回、他の事業に比べて利益率が低い、との理由から家電事業を分離する方針を発表した。どれだけ低いのかは、日本の企業は驚くほど高い

何しろ比較されている他の事業のそれが20%前後であるから、仕方がないのかもしれないが、記事では7.5%だそうである。なら、GEから見たら、日本の電機企業の経営者は失格ではないか。

そもそも業態が違うから、営業利益率が異なるのは当たり前なのだが、(売り時を考えると確かにタイミングとしてはそうかもしれないが)やっぱり、家電でこの利益率を支えてきた従業員はやってられない。

もう、上場化は○○ドリームではなくなっている。過剰なまでの圧力、内部統制、種々の規制…、上場するのであれば、そのような行為に慣れている上場企業に買収されたほうがいい。起業家はそれを原資に再び、何かを創造する。最近の流れである。

・・・日本の企業にこういう流れが見られないことが救いであるが、そのうちどこがが真似せざるを得ないだろう。日本株式市場の参加者の半分は外国人投資家なのだから…。こんなことをしていては、上場企業自体が衰退してしまうのでないか。。。

<写真 ゼラニウム:花言葉は、「君ありて幸福」だそうです。>

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