W・チャン・キム他, 『ブルーオーシャン戦略』

2008年10月2日

書籍

t f B! P L
競合企業との血みどろの戦いから、抜け出すには・・・。血みどろの戦いを”レッドオーシャン”と呼ぶのに対し、それを”ブルーオーシャン”という。

経験している方も多いと思うが、現在の競争は疲弊しきっている。この閉塞感から抜け出すことは出来ないのだろうか・・・そこにヒントを与えるのが以下の書籍である。

*上のリンクはオンライン書店ビーケーワン、amazonへは本記事の下にリンクしています。

ブルーオーシャン、また、オープン・イノベーション、イノベーションのジレンマなど学者の仕事は、企業の様相を体系的にまとめ、そこから知見を見出すことにある。上記の概念もそうである。

「これらを直接ビジネスに用い、利益が上がるのか?」

の問いは、学者に失礼なのかもしれない。そんなことは関係ないからである。サイエンス、テクノロジー分野でも同様である。その技術は儲かるのか、その発見は金になるのか?

それは、学者が聞きたいことである。学者は読み手のビジネスティーチャーではない。

さて、ブルーオーシャンの概念は、これまでセグメンテーションしてきた顧客から脱却し、当該業界が顧客として考えてなかった新たな顧客層を見出すことにある。同じゲームにしてもWiiが老人ホームで熱狂!なんてことは考えもしなかったことである。

見出したところで、企業には実現性への課題が立ちはだかる。
これまでの顧客層でないことは、販売部門は新たな対応が求められる。これまでの顧客との経験値はゼロになる。開発、設計はあらたな仕様を策定する。品質保証は、新たな顧客の想定される不具合を徹底的に検証しなければならない。

  • これまでと同じ事業部でいいのか?
  • その製品、サービスは、当該企業のブランド戦略と一致するのか?
  • 新事業的様相が濃い新製品、新サービスにおいての成功確率がかなり低いことを認識しているのか?
など問わなくてはならない課題が山積する。これらを踏まえて、Go!ならば、当該企業は邁進するほかない。
別に規模を小さくして市場試験をしてもかまわない(模倣可能性が高くなるが・・・)。

・・・とは言っても、様々な概念に触れることはとても重要なことです。

<参考書籍>*amazonへのリンクはこちらです。
●W・チャン・キム他, 『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)』ランダムハウス講談社, 2005.

●安部 義彦他, 『日本のブルー・オーシャン戦略 10年続く優位性を築く』ファーストプレス, 2008.

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