社会人MBA-技術者編

December 26, 2008

ちょっといい話(かも)

本日(26日)が仕事納めの企業が多いと思う。これから帰省など、家族や古くからの友人などと過ごす機会が多くなる。

なんだかんだ言って、金融危機に関するそれぞれの影響は聞くことであろう。米国発のとんでもない余波であるが、今日の記事は、米国、英国のいい話(話自体は今年、昨年のものです)です。


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米国ではイベントと国歌はセットであることが多いが、最初の映像は、国歌の歌い手が自閉症の方のもの。途中、歌が途切れてくるのですが・・・それを観客がサポートしていく映像です。




次は、ハモリが心地よいのでどうぞ・・・。
歌詞はこちら↓↓
The Star-Spangled Banner(WIKISOUCE)





最後は皆さんご存知の英国のオペラ歌手、ポール・ポッツ(Paul Potts)(Wikipedia)です。
映像は、英国のTV番組でまさに、ポール・ポッツの才能が認知された瞬間です。この番組はあらゆるエンターテイメントの審査番組で、辛辣なコメント、笑い者にされるエンターティナーが続出するものですが・・・
(日本では、フジ系の「アンビリーバブル」でとりあげられました。)





・・・たまにはこういうのもいいですよね。


<参考情報源:らばQより>
国歌に関して:
http://labaq.com/archives/50846665.html
ポール・ポッツに関して:
http://labaq.com/archives/50811792.html




*本記事は、米国国歌の内容や各種イベントにおける米国国歌の取り扱いに関すること、もしくは記事中のTV番組の意図を賞賛するものでありません。


December 23, 2008

企業の中年症候群―ミドルエイジシンドローム

中年症候群(ミドルエイジシンドローム)とはfine-club.comによると:

中年層の人などが理想と現実のギャップが見えることで、人生の目的やアイデンティティを見失うことで起きる症状。だからといって何もしないと、ますます不安になる。

この症状を企業について考えてみる。企業の”中年”とは何かは定義しにくいが、まず寿命については:
1970年代、フォーチュン500に載った世界的に「優良」な企業の平均寿命は、50~60年でだった。それが今や10.5年まで急降下している[1]。

●いわゆる製品やサービスのライフサイクルが短くなる(ある優秀なサービス、製品の利益創出期間が短い)影響は従来から言われるように大きく、その対応にも、これまでのやり方を少しカイゼンした程度では追いつけなくなっていることも一因である。
●さらには、80年代から始まったコンピューターの一般化により、現在は、従来とは異なった経済の空間でビジネスが行き来していることも考えられる。

誰でも中年になれば、これまでの経験や学習により、何か新たなことの間口と到達点が広く高いことを認識しはじめる。

企業で言えば、これまで利益を創出してきた製品・サービスが衰退期をむかえるなか、新たな事業に向けた取り組みを始めるにあたり、成功するまでの(利益を創出できるまでの)その苦難の道のりを憂慮している段階がそれに相当するといえる(持続可能な場合は何度か中年をむかえることになりますが・・・)。

このような時に対処すべきは、「不確実性」なのである(または「リスク」)。企業が進化していく(=持続可能な成長をしていく)には、進化するフィールドに降り立ち、最適地になるよう開拓する。次に行くためには、その最適地は離れなければならない。以前の最適地には利益は残存していないからである。

次のフィールドが最適地になり得るかはわからない。それは不確実なことである。そして、そういう機会での対処は、新たな対処が必要なことはわかる。このような機会が数多くなればなるほど、寿命が短くなる可能性は高くなる。

この時に、新たな取り組みを始めないと起こる事象は、モラルダウンであると相場が決まっている。

さて、ビジネスパーソン自身を考えた時に、「何かやらねば!」と考え、実際に行動を起こす人(=結構な額の自己投資と継続性)はどれくらいだろうか?

これは、そのようなビジネス教育の事業を展開する際のマーケットサイズを測定系とすれば、「何かしなくてはなぁ」と約10%弱の人が考え何らかの行動を起こし、約1%にも満たない人が実際に自己投資し、その行動に継続性を持たせるそうである[2]。

大よそ、企業はそのようなビジネスパーソンで構成されているのであるから、やはり、新たな対応で難局を打開していくことは難しい案件なのかもしれない。

・・・企業の場合は、何かやっているのに、それが好適でないと、「何もやっていない」のと同じ状況になるので発見が困難になることもありますよね。。。


<参考資料>
[1] ジャグディシュ・N・シース,『自滅する企業 エクセレント・カンパニーを蝕む7つの習慣病 [ウォートン経営戦略シリーズ] (ウォートン経営戦略シリーズ)
』, 英冶出版, 2008, まえがきより。
[2] BBT開局10周年記念感謝祭での記念講演より。

photo by Maco

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December 16, 2008

こういう時こそ、原点を忘れないことである。

企業の行き過ぎた利益追求や従業員を人間扱いしないなどの倫理観のない行為は、いつの間にか、プロや職人を遠ざけてしまう。

消費者は認識し始めている。
「プロや職人のいない企業に、その社会的責任は果たせない。」

企業の社会的責任とは、その企業の存在意義も含まれる。顧客に何を提供することで対価を得るのか、建前のコンプライアンスや表面上の企業理念の構築、確認などではない。

2008年の下期は当初から変化が大きなものであった。9月より10月、10月より11月・・・と指標のダウン率が大きい。さらに、円は一時88円台(ドルに対して)と円高になり、自動車業界では当初想定していたレートより円高が進んだため、2200億円の減益要因となっている[1]。

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*参考までに、日銀によれば、円の実効為替レートは以下のグラフのようになり、過去最大となっている。

円の実効為替レート(1970.1~2008.11)

*こちらでは、株価下落と円の実効レートについて簡単に解説しています。
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このような状況に対して、企業は従業員を削減し対応するが、非正規雇用者に対しての対応がテレビなどでもよく取り上げられている。

この問題は、契約期間満了後に契約しないのか、契約期間内、例えば来年3月までの契約なのに今年12月で解雇としてしまったのか、では大きく異なる。紙切れ一枚での解雇通知は、おそらく、正社員も同様の経験をしている方は多いと思う。

また、「内定取り消しなど、企業名を公表できるように、職業安定法施行規則を来年一月に改正、今後3年で2兆円の効用対策[2]」など、政府の動きも見られる。

要は、雇用の流動性はどの程度が適正なのか、であるが、それに答えはない。


とはいうものの、トヨタやキヤノンは(経団連の会長を輩出しながら)、確実に海外へ事業を展開している。やはり、誰も彼も正社員では高コスト体質となり、現在の動きが行き過ぎると(流動性を硬直化し過ぎると)、結局は”海外”なのである。

また、非正規雇用者の解雇に関して、まるで彼らを雇わない企業が悪者にされてしまっているが、今の世界情勢(自動車でいえばビッグ3など)を見ると、企業も人員を抱えられないほど追い込まれていることも事実である。

(というより、在庫を持たない生産方式なのであるから、受注が減少すれば、組立員も受注のサイズに合わせて縮小する)

当面の状況は現状維持が精一杯ではあるが、ここで、企業は原点を忘れないことである。それは、何を対価にしてビジネスを成り立たせているのかである。例えば、「燃費のいい小型車の開発」といえば、日本の自動車業界の生命線である。

目先のリストラは株主に対して効果的だが、業務量は変わらないため、従業員数が減じることは、従業員の負担分が多くなり、イノベーションを視野に入れたとき、その対応は極端に鈍化する。このときにプロや職人が去りやすく、たとえ、残ったとしても、その多忙さ故、彼らの能力は劣化しやすくなるのである。

回復するまでには、相当の時間が必要である。

・・・「手術は成功した。だが、患者は亡くなった。」はビジネスでは通用しない・・・。


<参考資料>
[1]「車7社、2200億円減益要因、円急騰、一時88円台――雇用・投資、影響拡大も」, 2008/12/13, 日本経済新聞,朝刊11面
[2]「失業した非正規雇用者支援、雇用促進住宅1万戸を開放、厚労省、年内に」, 2008/12/10, 日本経済新聞,朝刊1面

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December 8, 2008

実験者は結果を作り出すのか?

本記事は、いわゆるデータの捏造などに関連する記事ではない。題記の心理学的観点と技術者の実際についての記事である。

”実験者効果”とは、実験者の結果の予想が被験者の反応に影響してしまうことであり、特に、馬などの動物(被験者)が算術計算ができるなどの実験では、人間と同じプロセスで計算が出来ているというよりかは、実験者(調教師)や周囲の観察者が知らず知らずのうちに被験者(ここでは馬などの動物)に答えやヒントを与えてしまっている場合がある。
(鈴木光太郎,『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険
』新曜社,2008.第六章「実験者が結果を作り出す?」を参考にした。)

つまりは、例えば、「1+2」という算術において、正解は”3”であるが、(例えば訓練された)馬は3回前足で地面を打つことで正解を伝えるとする。すると、周囲(実験者、観察者)は正解を知っているので、馬は、地面を打つ回数が”3”に近づくにつれ、変化する周囲の人間の身体の微妙な動きなどで正解をしてしまう、というものであり、馬は人間の思考プロセスとは異なっているのである(=1+2を計算しているわけではない)。


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さて、少し視点を変えて、典型的な技術(工場)の話をしたいと思う。

ある工程(やプロセス)が問題で、解決すべき測定系が定まっているとする。
例えば、それは、ある接着強度かもしれないし、加工品の寸法、または質量かもしれない。それに影響する因子は3つでA、B及びC因子とする。

分析の目的は、その目的値(接着強度、加工寸法、質量など)の安定化である(いわゆるバラツキを低減)。取り組みとしては、データを取得することである。

ある程度のデータが取得できると、おそらくは、分散分析を実施する。すると、目的値(接着強度、加工寸法、質量など)のバラツキ具合に対して、A~Cの各因子がどれだけ影響しているかを推定することができる。

が、ここで、工場に全く関係のないD因子を設定しよう。それは、データ取得時のある放送番組の視聴率だとする。一見、関係のない因子に思えるが、分析ではそうではない。目的値(目的関数)のバラツキに対して、D因子の変動がどれだけ寄与しているかを算出してしまうのである。

ここまで読んでくださった方は、おそらく”オチ”が見えている。そうである、このケースの”オチ”は:

”因子として挙がったものは、それが何であれ関係がないとは言い難い”のである(有意差については言い易いです)。

えぇ~!そんな因子まで絡んでいるなんて!などは、たとえ、その寄与率が数%であっても、そうなのです。(そういった場合は有意かどうか確認しましょう。)

逆に言えば、仮に後に決定的なE因子が見つかったとしても、現時点でA~C因子に着目、分析しているのであれば、設定している課題についての解決策はそれらの因子を調整することなのである。しかしながら、E因子を設定しないことは不正解ではない(結果が悪い訳ではない)。

技術は、課題が設定されれば、種々のキーファクターがあるとはいえ、やがてE因子(周辺)に収斂していくものである。要はそれを発見するまでの時間軸や費用が問題なのであり、A~C因子である程度の効果が認められ、即実施できるのであれば、それはそれで実施するものであり、課題の性質により評価が異なるのである。

技術に関わらず、いわゆる問題解決ゲームは、仮説(構築)検証ゲームでもある。であるから、全体を俯瞰しながら、また抽象化、具体化を繰り返しながら、構築していく仮説を”質問力”と呼んだり、また、仮説を検証する方法論として統計学がよく用いられるのである。

そして、有意な情報をまとめ、抽象化していくことで、課題解決の方法論が導かれていくのである。

・・・問題解決の主体者は、ある程度は結果を作り出しているのかもしれませんね。。。


<参考書籍>


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December 1, 2008

米国の金融危機は冷静に考えるほど、とんでもないことになっている。

GMやクライスラーの事業存続が危ぶまれる現在、米国の金融危機への対処は機能しているのか?残念ながら、大きな企業の事業存続が危ぶまれる段階まで来ているのは、日本では産業再生機構が2003年だったことを思えば、いわゆる金融危機での第一段階である流動性危機への対処もスムーズにいかなかったようである。

かといって、自動車や家電のように日本の経験を輸出できるか否かは・・・それは、できないのである。というのも、欧米諸国の国民がゼロ金利や0.2%程度の金利で我慢するわけがないからである。日本では日本の国民があの金利で我慢した面の貢献度は意外に高いのである。

結局は、味わいたくない(研究済みの)日本の経験を、一気に味わいつつあるのである。

これは、結構深刻な事態で、最近、各国が預金保護など、とにかく安全であることの宣言合戦があるが、冷静に考えれば、特にEUなどは、GDPより銀行の資産の方がはるかに高いのであるから、どう保障するのであろうか・・・

まさか、輪転機?いやいや、それはとんでもなくインフレを起こしてしまう。戦争か?
それほどまでに事態は逼迫している。なにせ、昨年の10月に比して、3,000兆円もの資産が失われたのであるから[1]・・・。

1986年から現在までの株価、ドル円推移(週足)

・・・企業を経営している方は・・・”キャッシュ”です。


<参考記事>
[1]「株安・円高深まる混迷、世界の時価総額半減」2008.10.26, 日本経済新聞 3ページ.