コーチング

2009年4月15日

MBA 書籍

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チーム、個人…如何にして目標達成するか、いや、それに導いていくか。スポーツや特に教育やビジネス界においても注目されようになってきた。

いやいや、そう言ってしまうと、先哲に失礼だ。古くは、ミクロ組織論がある。ホーソン工場実験に始まり、マクレガーのX理論、Y理論ハースバーグの衛生理論などから現在まで、モチベーション論、リーダーシップ論など多く研究されている。

経営に関するトピックも、ハードからソフトへ論点が移動し、優秀な人材を見つける、あるいは育てるといった企業内での行動が重要視されている…とは、お堅い一般論だが、くだけて言うと:
○凡庸な経営者では名のある企業でも一瞬で淘汰される時代になった。
○凡庸な従業員は安い2,3人の労働力に置き換えられようになった。
のである。

さて、コーチングを、チームメンバーや仕事仲間から如何に自発的な行動を引き出すためのものであるか、と考えると、モチベーション、動機付けは:
目標達成のために高レベルの努力を行なおうとする個人の意思」*であるから、”成果”という観点からは親和性は高いものである。
*(榊原清則,『経営学入門 上 日経文庫 853』日経文庫,2002, p52)

最近では、企業の競争力を決定するモチベーションの3要素を【公平感、連帯感、達成感】として『熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素 (ウォートン経営戦略シリーズ)』が示している。

結局のところ、大切なことは、”勝つこと”というよりも”勝ち方”に主眼を置くことに集約される。

例えば、結果よりもその過程(=プロセス)を重視したり、チームをよく把握すること(=永遠の法則ばかり求めたがる青い鳥リーダーはいらない)などが大切であり、(通常のいわゆる特に仲の良い集団ではない)企業では、ある意味一つの社会なのだから、面前と罵声を浴びせることや、人事権をたてに叱責するなどは、奪利益者の所業といってよい。

かといって、従業員もプロセス重視に甘えるわけにはいかない。やはり、ビジネスは結果である。利益が上がらなければ、ご飯は食べられないのである。

スポーツ界においては、コーチングの役割が重要視されており、種々の例が公表されている。

つまるところ、企業で置き換えると、コーチ的な役割を果たす人とその人のチームメンバーの信頼関係がほとんどの説明因子であり、コーチのもつ技術や理論などは、もちろん大切だが、それは優先順位が一位ではないようである。

見渡せば、周囲には、結果はともかく、しっかりと自己を律し職務を遂行する方は必ずいる。おそらくその方は誠実であることが多く、私心がない。

学者ではなくとも、うすうす、こういう人がリーダーであれば…リーダーになるときはこういう感じだな…と感じているものである。

若いチームであれば、何でもできるリーダーより、何でもさせてくれるリーダー(いい意味責任をかぶってくれる)が必要であるし、プロフェッショナルを集めたチームでは、仲の良さはどうでも良く、結果を出すことにより、親交を深めていく順序であるし、逆に未熟なメンバーが集れば、まず仲良くなることが優先される、など状況によって様々ではあるが、結局はファシリテーターが必要なのである。

その人は誠実であれば尚よいのである。


・・・好きなことするのにモチベーションは必要ありませんが、仕事はほとんどの人が動機付けしないとダメですよね。。。



<参考&推薦書籍>




野中郁次郎, 『経営管理 (日経文庫 (512))』日経文庫.

*大御所の先生が日経文庫で執筆される場合、読者が一般の会社員へも広がるために、専門家向けより丁寧でわかりやすく仕上がっていますので、意外に日経文庫の書籍はお勧めです。

*MBA時代の書籍紹介は以下ですのでご参考ください。
○基礎、一般書籍編
○専門書籍編

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