「寸法で組まず、木のクセで組む」とは宮大工の名言である。

2009年9月23日

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チームでは様々な個性が集合する。

あまりに自由過ぎると、力が発散してしまい、制約を設け過ぎると、個性が埋没する。

時に、行き過ぎたマニュアル化は、無能な管理者のためにあるのかと錯覚してしまう。逆に行き過ぎた自由化は、メンバーの権利意識を辟易するほどに高めてしまう。

このバランスは難しい・・・というよりはリーダーや管理職は考えたくもない事柄であるかもしれない。恐らく、絶妙なバランスを保つポイントはないだろう。

ありきたりだが、“優秀だから”プロジェクトのリーダーやメンバーに加わる、というよりは“○○が出来るから”加わる方が、プロジェクトの目的を達する可能性は高くなる。

得意技の集合の先に、プロジェクトのゴールを繋いでいく方がメンバーも動きやすい。

ある問題や課題が解決に対して、それを専門とする人材で解決する、一見、当たり前のようなこの記載は、現代では、企業内で終わらない。それは、R&DがC&D(Connect & Development)に変化する傾向も見られるほどである。

宮大工の言った「木のクセ」はいまやグローバルなのである。

この宮大工の台詞を問題解決チームに関して考えると、能力がある集団であればいい、というわけでもなく、旧世代的な人材の集合であればいい、というわけでもなく、何ともいえない含蓄ある言葉である(私ではまだまだ経験不足でうまく表現できません)。


・・・昔の建物を解体して、修復をしながらもう一度組み直すことが出来る、ということは、凄いことですね。



<記事タイトルに関して>
「とっておき世界遺産~木のこころを生かす~」
→「法隆寺、海上に建つ厳島神社・・・木の性質を見極め、建物を守り続ける人々の技と心に迫る」と宮大工の棟梁をコメンテーターに向かえたNHKの世界遺産に関する番組のなかでの棟梁の言葉より。
http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/totteoki/t118.html
http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/


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