日本悲観論?楽観論?キーファクターは貧困層か?

2010年3月24日

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財政健全化が急務―報道によると:
国と地方を合わせた政府部門の資産から負債を差し引いた「正味資産」が2009年末に初めてマイナスに転落したもようだ。」と伝えられた[1]。

企業で言えば、債務超過の状態である。90年代前半では、政府の正味資産(土地、株式等の資産から国債、借入金の負債を差し引いたもの)は約350兆円をピークとしていたが、初のマイナスとなる。
*詳細は内閣府、「国民経済計算確報」[2]

記事のバランスシートに「道路」もあるけど・・・、これ売れるのでしょうか?年金に関する隠れ債務は?債務超過はすでにそうだったんじゃ・・・


さて、日本悲観論はさておき、世界を見れば、年間所得が30,000ドル以上(=富裕層)なのは約4億人程度で、約45億人は年間所得が3,000ドル以下であり、BOP(Bottom of the Pyramid)層といわれている*。

*「資本移動と我が国産業競争力 に関する調査研究報告書」(財団法人 国際経済交流財団)、p36辺り。


その中間の年間所得層(3,000~30,000ドル)は11億人であり、これまで代表的に日本企業が得意にしていた富裕層よりは、利益率が劣るものの、今後、新興国を中心に成長する分野である。

BOP層をターゲットにしたビジネスでは、綿棒、バンドエイドなどを一つずつ販売、グラミン銀行(Wikipedia)など、富裕層、中間層とはアプローチがかなり異なっている。

こういったビジネスの事例を多く紹介しているのは、『ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ)』(C・K・プラハラード,英治出版)が代表的で、これは、参考になる書籍である。


ただ、日本の企業がこの層へアプローチする際に、変えなければならない発想は、CSR(社会的責任)であり、日本の建前のCSRは通用しない。それは企業戦略が別物であるからである。これを一致させることが、BOP層への大切なアプローチとなる[3]。


・・・そう、Asiaはホットな市場です。まだまだ日本企業は伸びることが出来るのです。



<関連資料>
[1]「政府部門「債務超過」に、09年末、「正味資産」初のマイナス、財政健全化が急務。」日本経済新聞, 1面,2010/02/22.
[2] 内閣府「国民経済計算確報」
[3] 「新興国ビジネス5つの攻略法」,VOICE,2010/3月号.

*BOP層をターゲットにした代表的書籍

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