変更点が原因であると推定するのは新入社員の仕事です。

2010年5月16日

統計解析

t f B! P L
「現場の生産性が落ちている。」


製造業においては、現場での生産性低下は、お金を捨てているようなもので、大きな問題である。企業にもよるが、生産現場には、大よそ、当該製品の工程を理解している職人がいる。


はっきりいって、研究、開発者は、10年ぐらい種々の仕事を示さないと、その人には認められない。


確かに目立たないが、プロジェクトでは欠かせない要員で、時に、その仕事ぶりが理解できていない事業トップへは、その人の功績を、あえて多くの人が集う会議で披露したこともある。


さて、今日は、下のX-bar Rチャート。

*このデータは、統計解析ソフトMinitabに含まれているファイルによります。


X-barとは平均値で、このデータの場合、一回に5個のサンプルを計測する。その平均値の推移を上のグラフへ、R(レンジ=最大値―最小値)の推移を下のグラフで示している。


上のグラフで、2箇所、上方管理限界を越えていることがわかる。


こういうことがちょくちょく起こると、生産現場では結構生産性が低下している。で、冒頭の台詞なのである。


この現象に関するアプローチで、大抵の場合は、この2点の前後で、何か変わったことがないか、例えば、部材の変更やサプライヤーの違い、型の違い、品種の違いなどを調べる。


だが、問題は・・・


変更点しか調べず、関連性のへったくれもなく、変更点を原因にでっち上げてしまう、いや、もう知識も技術もなく、それしかしない場合がある。



いわゆる変更点は、いくつか挙げられる要因の一つで、原因に特定するには、有意性が必要である。それがQC(= Quality Control)である。


その悲しきオペレーターこそが、生産性低下の原因となる。



・・・変更点が原因であるとの推定は、新入社員でも出来ることです。

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