社会人MBA-技術者編

April 28, 2010

データのズレ―それは、測定器の違いです。1/2

「問題の60%は最初にある。」


おそらく、小集団活動やシックスシグマなどのプロジェクトを体系的にまとめている企業の担当者は、ため息をつきながら、こう言っただろう。

“最初”――― それは、問題を定義したり、何かしらのデータを測定したり・・・というより、その測定そのものに問題があるのである。


なので、問題を定義しようにも、根拠、論拠になっている数字が怪しい・・・


測定に関して、重要なことがらは2つ―方法と精度―である。記事は、その確からしさを確かめる“GageR&R”の考え方を、方法と精度にわけて述べていきたい。



*統計解析ソフトMinitabによるGageR&Rの様子。



<方法について>
まず“方法”であるが、ある部品の寸法に関して、測定すると10.0mmであるという。

これを聞いたあなたの正しい質問は、「誰が、何で(どの測定器?)測定した?」である。


大切なことは、反復性と再現性だからである。

反復性
10.0mmという数字は、Aさんがもう一度測定しても10.0mmなのだろうか?

再現性
Aさん、Bさん及びCさんが測定しても、(同じ測定対象のサンプルが)10.0mmだろうか?Aさんだけが測定しても、このノギスとあのノギスで同じだろうか?


また、どの種類の測定器を使用した?

定規?ノギス?投影機*?
いや、もっと細かく言えば、数あるノギスでも、ノギス間では同じか?
*投影機―例えばこのような感じ(ミツトヨのホームページより)


このようなことを、統計的に調べていくことをGageR&Rという。

ゲージR&Rとは、製造分野において測定法の有効性をテストする最も一般的な方法です。一つの測定法をさまざまな環境で繰り返し実施し、「正確性」「反復性」「再現性」「安定性」の4つの基準に照らして判定します。連続データの測定に使われるのが一般的ですが、応用すれば不連続データの測定方法のチェックにも使用できます。
ミツエーリンクス

*フリーソフトで実施するには・・・
saekit@Vectorから、中頃に「ソフトウェア」があり、クリック後、その紹介画面の下のほうにあるソフトがフリーです。


こんなことで、そんなことで本当に?と思われるかもしれないが、意外に多いのは、企業間での話である。要は、受注した業者と発注した業者の検査では、測定方法が異なるので、微妙な違いを生むのである。


あの企業と、この企業の10.0mmは違うものと考えたほうがいい。



・・・寸法は、結構あいまいなものである。


→「データのズレ―それは、測定器の違いです。2/2」 へつづく。

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April 25, 2010

GWの一冊 『イノベーションへの解』

企業の大きさに関わらず、多くの事業を手がけている企業では、“ゼネラル・マネジメント”が求められる。さらに、これが出来なければ、現代では、早々に市場から退場を迫られる。


さて、何かを調べる時、それが、研究開発であっても、コアになる書籍、論文に出会うまでは、結構、紆余曲折する。特に、学術の研究の場合は、自説がすでに発表されていれば、価値がなくなってしまう。


ビジネスパーソンの学習に目を向ければ、大手書店にならぶ書籍を見ていると、(当たり前の話だが)売れることが大切なので、いわゆる良書ばかり、とはいかない。インターネットの情報もそうであろう。


少し、フリが長くなったが、私にとってイノベーションに関する入り口になったのは、これまで何度か述べてきたが、『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)』である。


確かに、単純な奴ではある。


この書籍は、研究、開発、設計など技術に接していいれば、入りやすいし、『まぁね・・・』という日本技術者のムラムラする感もある。


ところが、(イノベーションに関して)「どれを読めばいいのか?」と問われれば・・・



なのである。技術に関連した職の人は、『イノベーションのジレンマ』の概念は、決して真新しいものではない(特に、日本の5,60代の方が現役の頃には、体験しているかもしれない。ある意味、日本企業はそうやって当時の先進国企業と肩をならべたと言っても良い)。
イノベーションのジレンマについてはこちら


で、こちらのほうの書籍は:
本書は、いうまでもなく、「破壊的イノベーション」による事業が企業にとって成長を維持していく方法であると、そのマネジメントの「解」を提示するものである。
(『イノベーションの解』監修者解説より趣意)

というもので、マネジャーはこちらのほうが、興味をそそるかもしれない。


いくつかの専門書何冊分かの知識を得ることができる一冊であり、知的興奮を味わうことができるであろう。


・・・じっくり味わうことのできる一冊です。



<紹介書籍>
クレイトン・クリステンセン, マイケル・レイナー, 玉田俊平太監修, 櫻井祐子訳,
イノベーションへの解 収益ある成長に向けて (Harvard business school press)』翔泳社, 2003.

*他には、このブログの右欄に掲載しています。

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April 21, 2010

そのデータで、会議が無駄になります。

経済が不調な昨今、企業の会議室ではよく言われている台詞:

「前年に比して、売上が5%減少しています。」
「製品の・・・が顧客に受け入れられず・・・市場の反応が悪く・・・ゴニョゴニョ。。。」

と続き、いつのまにか、この5%を回復しなくてはならない議論へ収斂していく。


パーセントの魔力は恐ろしい。


この魔法の使い手は、責任回避が得意技であることが多い。


そうそう、“パーセントは実数で!”これが事実ベースで話ができる鉄則である。分子と分母を把握することが肝要である。



例えば、以下のようなケースを見てみる。


売上高と利益率の推移
1999-2009年、単位:億円、%

確かに、前年に比べて、2009年度は売上高が5%落ちている(そのように作ってるやん!はさておき・・・あくまで例です)


利益率が5%程度―――一般的には、(業種は異なれ)製造業では、この程度がやっていける数字であろう(自動車はもう少し高めですが)。


いや、2009年度に着目すると、利益率はむしろ伸びている。そう、ピンと来た人は多い。これは、ものづくり企業であれば、工場が頑張ったケースが多い(10年成長していない事はさておき)。


売上高が減少し、利益率を高めるのは、固定費用を削減したのであろう、と推定されるからである。


いや、待て。。。売上高が減少したのは、はたして有意性があるのだろうか?確かに、10年前からのデータを並べて、統計的な検定を行なったところで、経済環境が異なるなど、たとえ、有意性があろうとも、なかろうとも、判定は困難ではあるが・・・


そうなのである。対外的には、リーマンショックなどの大きな理由を述べることはできるが、企業内部では、この場合、5%≒2.5億円もの金額が減少した内訳を、推定ベースで分析しなければならないのである。


経済環境が悪いのであれば、具体的に、家計のどの部分の支出がどの程度減少している、○○国、地域の個人消費がどの程度減少しているので輸出が減っている、また、事業的には、どの地域が減少、どの年代が減少、どの販売形態が減少、百貨店?コンビニ?大型スーパー?


企業には、独自の分析がある。それは、表にはなかなか出てこない。出す訳がない。


会議を効率的にすることは、会議自体の開催、進め方に問題があるというより、事前の準備に問題があることが多い。実は、“会議”という行為自体は、結構な人数を拘束するので、お金がかかっている。


準備不足、分析不足で、あさっての方向に議論が行けば・・・


・・・それが原因で、会議は資源の無駄遣いになります。

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April 18, 2010

データを読み取ることは、意外に難しい。

データを読み取ることは、意外に難しい。


以前も記載したことがあるが:

(何かの費用や負担などが)
『1.0%が2.0%に増加するだけなんで』

といわれれば、即座に、
『それは、2倍の負担ではないか』
(100%アップである)

とは気づきにくい。


企業でも、今、まさに見ているデータには、それを支える論拠と根拠があると思いたいが、得てして、自らの都合のいい論拠、根拠を収集している場合が多い。


だからといって、数学を学習すればいいと言うものではなく、このような数字の見方は、当たり前の話だが、場数である。経験がものをいう。


研究、開発などに従事している方は、特に、経験していると思うが、最初にあるのは仮説である。結論ではない。結論があれば、それは、まさに都合のいいデータ収集となる。


例えば、“景気回復”―誰もがそう思う。

前年比○○%回復!など、企業でも売上などを指標にすることもあるが、これほど曖昧なものもない。例えば、下のグラフは、内閣府が公表しているGDPに関するものだが、近年のボトムを基準に、○○%回復!など言われても、推移をみれば、まだまだなのだとわかる(*データの詳細は内閣府:国内総生産(支出側)及び各需要項目を参照)。




パーセントは実数にしてみなければ、わからないものなのである。


類似で、“経済復興”―特に地方はそうであろう。


これは、何を指標にするのかが重要である。首長が、復興だ、復興だと息巻いても、当該地方のGDPを伸ばすことが目的なのか、直接的に税収を伸ばしたいのか、失業率を下げたいのか、生活保護者を減らしたいのか、一人当たりの収入を増加させたいのか・・・


数字にしなければ、カイゼンすればいいのか、改革なのか、ゼロベースで行なわなくてはならないのかさえ、わからないものである。



・・・仮説は検証するもの、結論は導くもの、データはそれを支持するものであって、騙すものではありません。



<関連書籍>

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April 14, 2010

日立製作所―社会イノベーション企業へ

日立に追い風が吹いている
日本経済新聞, 2010.4.7号 9面(日経テレコンより)

会見の冒頭で、中西新社長はこう述べた。


言うまでもなく、日本で一番大きな企業(グループ)である故、その動向は、トヨタやパナソニックなどと同様に大きな注目を浴びる。
*従業員数は日立製作所HP 企業情報を参考(約40万人;2009年3月末日現在)

確かに、日立は迷走した。マイナス○○兆円の社長群、と言われる程、どん底を味わった。(以前の記事:日立は再生できるのか?

そうしたなか、昨年の上場子会社5社の完全子会社化も、その成果がいよいよ、ここ数年で問われてくる本格的な段階に入ってくる。

巨大化したグループの再編(=選択と集中)は大仕事で、そう簡単にできる仕事ではない。時間をかけてゆっくりすすむものである。性急な成果は、望めない(潰していくことでしか望めない)。


が、冒頭のように、ビジネス環境は、日立が標榜する方向にとっては良好である・・・。

スマートグリッド
鉄道
原子力発電所




こればっかりは、少々のことでは参入できない。


環境に良すぎる・・・
*CO2犯人説ならの話です。原子力発電所そのものの賛否は当然あります。

こんな絶好の機会はそうは訪れない。ここは徹底的に攻めるであろう。

「攻めのM&Aを従来になく加速」
「(海外展開)グローバルトップ事業を育てる」
(同新聞)

日立の復活は、今のグローバルな日本企業の暗いニュースを明るく転換できる力を持っている。

小さくまとまってしまうと、その大きなポテンシャルが性能を発揮しない。ある意味、サムスンのような大風呂敷も今は必要である。


・・・多分、(動きが大きいので)人材は(その成長に)間に合わないでしょう。そこは、当分、自前ではなく外部から雇ったほうがいいかもしれません。

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April 11, 2010

砕けるダイヤ―10年の苦労

独立行政法人海洋研究開発機構 地球内部ダイナミクス領域の廣瀬敬招聘上席研究員・巽好幸プログラムディレクター、東京工業大学の舘野繁彦特任助教及び財団法人高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門の高田昌樹部門長・大石泰生主幹研究員らは、レーザー加熱ダイヤモンドアンビル装置を用いて、地球の中心に相当する超高圧・超高温の状態(364万気圧、5,500度)を実験室内で実現することに、世界で初めて成功しました
SPring-8 HPでのプレスリリースより


この研究での最大の課題は、加圧⇔減圧を行なう、ダイヤモンドアンビルの出来、不出来である。

!!!とえらっそうなことを言っているが、本記事記載者は本研究の研究室OBではありませんので、その辺は差し引いて御覧ください。


とはいうものの全くの無関係者ではなく、私の大学時代の研究は、高圧化における結晶構造解析であったので、他の記事で記載されていた成功までの苦労―“ダイヤ加工に関して10年続けた苦労”はよく分かる。


何気に、この関連の分野は、「地球中心に相当する圧力・温度の状態を実現することは、地球深部に関する実験的研究の究極の目標」などの研究目的であるが、低温分野も含め、高圧化、高温化・・・


これだけの条件で、構造解析が行なえるということは、(これらの研究は)いうまでもなく、企業が抱えている素材の結晶構造解析などは、常温常圧でいいのであれば、赤子の手をねじるよりやさしいことである、というぐらい意義を見出せるものである。


ダイヤモンドアンビル装置(上記プレスリリースより)
高圧を発生させるには、図におけるダイヤ先端部の面積は小さいほうがいい。圧力は、N/m^2(^2:2乗)なので同じ力であっても、面積が小さいほうがより高い圧力が得られる。

だが、それは、加工や先端部分への試料の設置の困難さが飛躍的に増すことを意味している。何せ、図でも示されるが、1mm未満である。

SPring-8などの放射光を用いるのであれば(いや大学の実験室レベルでさえ)、不純物一つが命取りである。

さらに、○○万気圧(=○○GPa)という超高圧化である。上部、下部が少しでも水平でなければ・・・簡単にダイヤは割れる。


構造解析でのX線や放射光は図でいえば、縦方向に入射する。当然、それぞれのダイヤモンドの透過性が悪ければ、話にならないので、その選定も必要である。

また、一番硬いとはいえ、これだけの超高圧―加圧⇔減圧をひょいひょい行なえば、驚くほどダイヤは簡単に割れてしまう。どちらも慎重に、ゆっくり行なわれる。


もう、このダイヤモンドアンビルの製作、というものづくり的な側面が、成否に大きく関わっている。


企業に入り、研究開発の失敗・・・なんてよくあるが(というより、ほとんどがそうである)、この研究こそ、当時では、4年生の段階で、“ダイヤモンドアンビルを用いて実験できる”程度が習熟の限界というほど(大げさか!?)、山のように失敗する。


たまに、成功しても、現在、どれぐらいの圧力なのか―当該試料とは別に、圧力計測用の試料も先端部に封入するのだが、当たり前の話、当該試料に影響を及ぼすのでごく少量であり・・・それを見失うことがある。見失えば、現在の加圧した圧力がわからないので、強制終了である(私が所属したゼミの場合)。



学生時代は、つくばのPF(Photon Factory)での実験で、研究用のデータを取得していたが、これだけの施設―「明日実験行きます」「はい、どうぞ」というわけにはいかない。


割り当てられた時間内が勝負なのであるが、ダイヤは割れる、(関連の)装置がシャットダウンする・・・所属の先生や研究室の仲間には多くの迷惑をかけてしまった。


それは、さておき、当時、同じ研究グループ(大学は異なるが)の先輩が、

「あぁ~100GPa(=100万気圧)ぐらいまできたけど、(ダイヤに)ヒビが入ってきたわ。」


なんて台詞を聞いて、“どこまであげんねん!?”などと思ったものだが、今回のニュースでは364万気圧・・・


・・・どこまであげんねん!?


*研究対象の素材にもよりますので、圧力が高ければいい、というものではありません(一応)。
*本記事のタイトル、及び内容の「ダイヤモンドが割れる」ことは、このような研究をしている研究グループ、また記事の研究グループの主要な問題ではありません。



<研究関連>
*本研究の紹介
「世界で初めて地球中心の超高圧高温状態を実験室内で実現−地球内部のあらゆる物質が人工合成可能に」
東京工業大学 理工学研究科 地球惑星科学専攻 丸山・廣瀬研究室


<関連施設、機関>
SPring-8
KEK:高エネルギー加速器研究機構
日本高圧力学会

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April 7, 2010

誰が敵で誰が味方か―異業種間の競争―

「良い製品を製造すれば売れる」
「良質なサービスは利用される」

顧客に提供する価値の“高品質低価格化”に邁進することのみでは、生き残ることが困難になってきた。

すでに成熟化した市場は、グローバルに広がり、新たな利益源として、(ビジネスモデルを変えないで済むような)新たな国や地域に進出する、その企業にとっての新たな事業に乗り出す・・・など企業は、次なる利益を求めて行動しはじめている。

情報は、大手企業や大学の専有物ではなく、消費者のもとで輝きはじめ、マーケティングの仕組みを再考するイネブラーとなった。

これまで、広告を打たなかった企業が、グーグルを利用し始め、大手企業より広告効果の高い広告を打てるようになった。


明らかに、消費者の購買行動は変わったのである。


なのに、未だに、同じ顧客を相手に、昔ながらのビジネスシステムに磨きをかけることは、もはや、カンナで肉を削る程、痛々しい。

原発やリニア新幹線など、よほどのモノでない限り、ビジネスは、仕組み構築競争なのである。


とはいうものの、勝負であれば、自分の土俵で勝負すれば、勝つ確率は高い。相手の土俵で戦うことは、ビジネスモデルが似ていれば、似ているほど苦しい。


また、出現した競争相手の利益創出モデルが、自社や業界のそれと異なれば、これも厄介な相手である。


マネジャーは、自らの企業の利益創出の仕組み、関連する企業間の仕組みを理解しているだろうか?部下の仕事の成否ばかりを追いかけていてはいないだろうか?経営者はいつまで従業員の懐に手を突っ込み続けるのだろうか?


・・・いま、残っている多くのモデルは、古き日本の高度成長モデルです。逆に、怖いもの、失うものがない若い人ほど、大きな勝負が出来る有利な時代です。



<参考>
*大前研一アワー#261

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April 4, 2010

何を何にどのように変えるのか。

“ビジネス環境は常に変化している”とのありきたりな台詞・・・本当に、現在は、これまでの仕組みが少しずつではあるが、不気味に、静かに変わってきている。

なんだかんだで、10年、いや15年前と今の仕事の進め方も大きく変わっている(特にIT関連利用)。


昨年から話題になった自動車産業―すっかり、トヨタは以前のソニーに代わって、何かと議題にあがるようになっている。それだけ、影響力があるのであろう。


さて、今後、いや近い将来、2,30年程度の近未来における自動車の主エネルギーは、バッテリーである(ガソリンはいずれ枯渇するorその前には高コストのため採算が合わなくなる)。

そうすれば、自動車メーカーには主導権がなくなり、コンビニ感覚で、街で充電するインフラを考えると、ネックになるのは、家電メーカー(電池製造メーカー)、電力送電企業である(電池だとモーター駆動なのも大きい)。

自動車製造メーカーは今の仕組みでは、単なる自動車組立メーカー(レベル)に成り下がる。これは、利益率の低下を意味する。


このような場合、“今後”を“カイゼン”ベースで考えていくことは難しい。


製品・サービスにおいても、少しの改良の場合もあれば、抜本的な場合もある。製品開発やプロジェクトの経験から言えば:

●少しの改良では5~20%、“カイゼン”である(いわゆる、5%のコスト削減、20%の性能向上など)。
●コスト半減、50%機能向上、などは、カイゼンではなく“戦略を変更”する(プロセスや開発の戦略自体を変更しなくては実現可能性が低いため)。
●抜本的な改革は、カイゼンでも戦略の変更でもなく“ゼロベース”で、行なう(そのシステム自体が問題だからである)。

多くの場合は、ゼロベースで考えるほどの経験はあまりしない。ただ、ゼロベースで考えることが必要な時に、戦略の変更やカイゼンで対処する、また戦略の変更が必要な時にカイゼンで対処する、カイゼンで済むのに他で対処すると:


従業員は疲弊する。


疲弊した従業員からは、顧客満足は生まれない。新たな価値を生まない製品・サービスにしがみつかなければならない経営陣は迷走する。


誰が言ったかに左右され、何を言ったか確かめない。誰が行なったかに終始し、何を行なったのかを議論しない。


組織は創造性を失う。常に責任の所在を探し続ける。


その昔、創造性に富んでいたとされる企業では、組織図を作成すると叱られたそうである。

「こんなものをなぜ作った。誰が今どこで何をしているかなんてものは、次の瞬間に変わる。意味はない。*」


とは、極端かもしれないが、常に変化に対する対応が求められる企業運営において、種々の課題への取り組みは、その企業の様々な面を露呈する。



・・・「何を何にどのように変えるのか**」―この問いを具体的に定義できれば、課題は約60%解決されているといっても過言ではありません。



<関連書籍>
*『盛田昭夫語録』小学館文庫, 1999, p34.
**以下の書籍の著者;Robert E. Steinの言葉です。

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