社会人MBA-技術者編

July 28, 2010

「国費による研究開発における信託の活用の可能性 ~科学技術行政のイノベーション~」 ,文部科学省

本日のレポートの副題は、「『年度末』にとらわれない自由度の高い競争的資金制度」とされている。

報告の目的は―

改正された信託法(2007年9月30日施行)での仕組みを科学技術行政に活用ができないか検討すること(研究の契機と背景より)
である。


実務的な観点から、研究開発には、季節が存在しない、と感じられる方が多いと思う。また、時間も関係ないことが多い(例えば、ある実験は、朝行おうが、夕方行おうが関係ないなど)。

すべてがそうではないが、そうであることが多い。

単年主義の会計制度では、年度のつなぎなど継続性が困難な場合が多い。


さて、報告書では信託を活用するメリットとして:
①会計年度独立原則に抵触せずに、繰越手続きを要さず、研究開発を複数年度使用できる。
②年度末及び年度当初にも研究費を切れ目なく執行できる。
③執行しなかった研究費を、研究予定期間終了後の一定期間、当該研究の発展のための研究等に充当することができる。
④費目間の流用に関する事前承認の規制を課さないことができる。
⑤NPO法人や中小企業等への資金提供にも適している。

と述べている。


*紹介まで。


<参照元>
国費による研究開発における信託の活用の可能性 ~科学技術行政のイノベーション~ 『年度末』にとらわれない自由度の高い競争的資金制度
2010年6月24日
文部科学省 科学技術政策研究所

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July 25, 2010

藤森克彦,『単身急増社会の衝撃』

公的なセーフティネットの拡充と地域コミュニティーのつながりの強化が必要(趣意)。

とは、著者の藤森が誰もが単身になる現状に危惧し、著したものである。

以前のこのブログの記事で、①単身世帯の増加傾向(以下の図)、②単身世帯は、未婚化、晩婚化や夫婦の死別などにより、すべての世代にわたって大幅に増加(今後も増加)している、ことを述べたことがある。


●家族類型別一般世帯数

こういったことは結構深刻で、著書でも述べられているが、今の日本の介護保険制度が単身者を想定していないことなど、冒頭のようなことは急務である。


さて、ビジネスで考えると、今後、4人家族を想定した顧客群が小さくなり、単身世帯をターゲットとした方がよりよいことは、特に小売や飲食(いわゆるファミリーレストラン)などでは顕著である。


“一人用○○”などが多くなっている。


また、アクティブなお年寄り向けのビジネスもスマートコミュニティ稲毛のように、これまで日本にはなかったスタイルを提案しているものもある。
(日本の場合は、上記に、病院、老健などの介護施設、そしてパッシブ向けの施設と連動していれば、まず、一人になっても間違いはないだろう。)



・・・私(団塊ジュニアです)が老人になる頃、社会は相当に変化してそうです。。。



*記事中のグラフ
「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2008年3月推計)、国立社会保障・人口問題研究所(http://www.ipss.go.jp/)を参考に作成。


<関連記事>
前年比100を超えることは簡単ではなくなった。

<関連書籍>

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July 22, 2010

イノベーションレポート―インデックス, 2010(前)

*以下のリンクは、2010年の4-9月に参照したレポート等のリンク元へのものです。

我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-第10版(平成22年3月)
2010年3月,経済産業省

日本経済とイノベーション
2010年5月31日:日本記者クラブにおける講演、日本銀行総裁 白川方明

インタビュー:イノベーション 3つの死角
産学官連携ジャーナル Vol.6 No5 2010, pp4-10.

「企業のイノベーション経営に関するアンケート」調査結果
調査期間:2010年1月27日~2月5日,NTTデータ システム科学研究所

イノベーションの創出に資する知的財産権制度の在り方に関する調査研究(PDF)
特許庁、財団法人知的財産研究所、平成21年度研究テーマのひとつ。

「新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~」
2010年6月18日,内閣府

国費による研究開発における信託の活用の可能性 ~科学技術行政のイノベーション~ 『年度末』にとらわれない自由度の高い競争的資金制度
2010年6月24日,文部科学省 科学技術政策研究所

児玉他,「戦略転換の可視化の試み : 日米比較」
Journal of Science Policy and Research Management Vol.24, No1 (2009) pp6-15.

新成長戦略とイノベーション
2010年6月29日,大和総研

『理科系人材問題解決への新たな挑戦』~論理的思考力のある人材の拡充に向けた初等教育からの意識改革
2010年6月29日,経済同友会


「見える化」から「繋ぐ化」へ向かうイノベーションマネジメントの進化形~イノベーションマネジメントの進化形とは
アクセンチュア株式会社経営コンサルティング本部



「高度な専門性を活かす管理職」管理職シリーズ 第3回
2010年7月,NTTデータ経営研究所,経営研レポート2010年

イノベーションを加速する組織マネジメント:管理職シリーズ第4回
2010年7月,NTTデータ経営研究所「経営研レポート2010年」より。

特許制度はどこへいくのか?
2010年8月,三菱UFJリサーチ&コンサルティング「サーチ・ナウ」より。

「円高の影響に関する緊急ヒアリング」の結果より。
2010年(平成22年)8月27日(金)公表,経済産業政策局 調査課

+ + + + + +
*以下は、書籍化されているレポートを参照している関係で、本ブログ記事へのリンクを掲載します(タイトル部分)。
○「QCの効用と限界」, 大前研一, 『戦略論―戦略コンセプトの原点』, ダイヤモンド社, pp264-268.

○「ボーダレス・ワールドの経営」, 大前研一, 『戦略論―戦略コンセプトの原点』, ダイヤモンド社, pp73-101.
+ + + + + +

○「バッテリースーパークラスターへの展開~電池とそのユーザー産業の国際競争力向上へ向けて~」、日本政策投資銀行、2010年5月。
こちらのリンクの中頃に参照したレポートのPDFへのリンクがあります。

    ■「【概要】情報経済革新戦略(PDF形式:10,371KB)」、経済産業省、産業構造審議会情報経済分科会 報告書の公表について、3枚目のスライド参照。 *こちらのリンクの下部にPDFへのリンクがあります。

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July 21, 2010

「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-第10版(平成22年3月)」経済産業省

*参考した報告書は膨大なものです。下の記事の内容が主題ではありません。


大学発ベンチャーが直面する課題のトップは「人材の確保・育成が難しい」、次に「資金調達が難しい」である。ヒト・モノ・カネを考えれば、結構深刻ではある。

ヒトに着目すると、報告の「日本のイノベーション・システムの状況」(第5章)では、人材の育成について触れている。


それは、将来を担う小学生、中学生の調査において、66カ国・地域の中で、例えば、中学生(2年生での調査)では数学5位、理科3位(p154~)、また、1980年と比較すると、修士、博士は増加している(p146~)。


日本の研究者数は、企業を含め、約83万人在籍し(企業は約50万人)、米国、中国に続き世界で第3位である。研究費総額(企業も含む)においても、2008年度で米国に続き2位である。


とはいうものの、IMD(国際経営開発研究所)が調査した世界競争力において、2009年度日本は、総合17位(57カ国・地域)である(「日本の国際競争力の状況(第6章)」, p167~, 米国は1位、中国は20位)。

この調査の項目中の「経済状況(24位)」「政府の効率性(40位)」が、日本の順位が高くない要因である。

また、WEF(世界経済フォーラム)では、日本の順位は133か国中8位(1位―3位は、それぞれスイス、米国、シンガポール)であるが、財政収支、政府債務残高では、それぞれ、120位、132位と著しく低い。

    (参考)ランキングの主目的
    ○IMD(国際経営開発研究所)―「それぞれの国において、企業の活動を支援する環境がどの程度整っているか」
    ○WEF(世界経済フォーラム)―「生産性の水準を決定する諸要因の集合」を競争力と定義している。

こういった、政府、また経営能力に由来することは、今回の調査に限ったことではなく、随分前からこうであった。


もちろん、ランキングが上位に入ることが目的ではないが、各国・地域と比較して、どのような位置にいるのかは、参考にはなるはずである。



・・・“人材の育成”―地味なことですが、確実に成果を生むものです。



<参照元>
我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主要指標と調査データ-第10版(平成22年3月)
経済産業省,2010年3月

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July 18, 2010

“なぜなぜ分析”が、なぜ出来ないのか?

くだらないトンチのようだが、現場では、結構深刻な問題である。


カイゼン運動を展開している企業では、多くの品質技法などが従業員に教育、実施されている。「なぜなぜ分析」もそのひとつで、ある欠陥が表出した際に、行うことが多い。


例えば、その運動を展開している企業において、ある工程でトラブルが起こったとする。その時―

“これは以前にも起きたことなのか?”
“いや、なんだこれは?(想定していない?)”


と、そのトラブルが再発性のものなのか、想定していない(例えば、管理項目には入っていないなど)ものなのか、つまりは、(再発防止のために)是正しなければならないのか、また、予防策を確実にするためにどうすればいいのかを考えることだろう[1]。


そうなのである。要は“管理”に関する問題である。


確かに、“なぜなぜ分析”は、原因(根本原因)を探るのではあるが、その“なぜ”とは―

「なぜなぜ分析」は管理システムの欠陥を探す活動だから、「なぜ?」とは、「管理システムのどのような欠陥で起きたのか?」という意味である[2]。

だから、なぜなぜ分析は、そのトラブルが起きたメカニズムの解明を行うわけではない。


・・・所属する企業や組織で行われているのであれば、それは、なぜ、導入されたのでしょうか?




<参考サイト>
*下のサイトは幾度か紹介していますが、とても参考になるサイトです。
客観説TQM研究所,「[L]なぜなぜ分析(新版)」
[1] 「2.『なぜなぜ分析』 の手順」を参考。
[2] 「3-7『なぜ?』とは、何を尋ねているのか?」より。


July 14, 2010

Moleskine(モレスキン)とダイアリーの組合せ

文具といえば―

これが、結構、購入してしまう。
そう、書く時にペンは1本でいいにも関わらず・・・。
1冊のノート、メモでいいに関わらず・・・。


今日の記事は、「Moleskine(モレスキン)とダイアリーの組合せは、意外にいい使い方かも!?」という単なる文具祭り(!?)です。

さて、下の写真は最近のお気に入りの組合せ ― Moleskine(モレスキン)のポケット手帳とダイアリー(後で登場します)、ペン、ペンホルダーです。



システム手帳も、社会人になり年数を経るごとにどんどん肥大化していき、ダイアリーはもとより、ポケット、付箋などなど盛りだくさんとなっていき・・・重装備化されていましたが、やはり、シンプルに回帰するのでしょうか。

そういった意味では、モレスキンの手帳は、シンプルなので好適です。


写真のiPod touch(これは第1世代です)、携帯電話などの電子機器が発達したためか、併用すれば、手帳はシンプルなものの方がいいかもしれません。


ペンは、LAMYのpicoで、ペンホルダー(別売です)にぴったりなサイズです。picoは先端が約12mmで段々と径が大きくなっており、最大で約12.5~6mmです。





ダイアリーは、ダイゴー社のもので(記事下に商品名を記載しています)、手帳のポケットに収まり、いい感じです。




ダイアリーのデザイン、大きさは以下の感じ。





・・・シンプルなのもいいものです。




<写真掲載の商品>
      


*見開きのダイアリーは:
「ダイゴー/DAIGO 2010年4月始まり手帳 HPダイアリー スモール カレンダー 見開き1ヶ月ブロック レッド」というものです。Amazonでは探しきれませんでしたが、楽天市場では出品されていました。


*記事中写真のiPod touchは第1世代です。第3世代は以下など。


July 11, 2010

ディビッド ハルバースタム,『覇者の驕り―自動車・男たちの産業史』

製造業が競争力を失っていく―

多くの場合、外的(=競争相手)に打ちのめされる、というより、自滅であることが多い。

今日の図書の中でも、その典型的な話が掲載されている。よくある事なのかもしれないが、小さなことを容認していくと、やがて、とんでもないことなってしまう。


それは―“嘘”である。


著者が、掲載しているひとつは、ある工場長の話で、部下に本社からの無理難題により過度な負担がかからないよう、本社の意向を汲んだ報告―でっち上げのデータ―を行うという話である。

本社の優れた分析者は、そのデータをもとに分析し、次なる打ち手が経営に反映されていく。もともとデッチ上げなのだから、当然、企業は疲弊していき、競争力を失っていく・・・というものである。


本書以外においても、この手の話は多いだろう。誰しもが一つは持っていると思う。


*  *  *  *  *

出来の悪い現場監督者は、自らの立場を悪くしないため、不良率、在庫、廃棄などのデータで嘘を報告する。それは、経理からの追求でさえかわしていく。見かけ上、この現場はピカピカである。

ある品質改善者が、その現場に着目し、実際の不良、在庫、廃棄を軽減し、本社へ報告しようとした時、現場の実データが本社へ公表されることを嫌ったのは、誰でもない事業トップであった。事業トップはデータの改竄を強要した。

実際の損失を考えると、彼らの退職金、年金さえ支払う必要が無いほど損失は膨れ上がっていた・・・。


+++++++++++

事業の成否をかけ、投資した製品は、競合企業に匹敵するほどの製品機能を有した上に、コスト面で優位に立ってるはずであった。

フタをあけてみれば、事業を左右するほどのポテンシャルをもったエラーを有し、製品機能は競合企業の足元にも及ばなかった。

開発チームは、最後まで“嘘”をつきつづけたのである。


*  *  *  *  *


悪人は誰か?ということではなく、本社の意向に沿わなくてはならない企業文化が強すぎたのであろう(嘘の報告をしなければならない背景)。だが、上の例は、気づけば、もう坂道を転げ落ちており、取り返しがつかない。


残念ながら、経営において、企業文化を変える最も迅速で有効な手段は、旧来の人員を新しい人員と入れ替えることである。


結局は、自分達の首を自分達で絞めてしまっているのである。



・・・あなたの情報収集は大丈夫ですか?



<参考>
*以下は文庫本です。
ディビッド ハルバースタム, 高橋伯夫訳,
覇者の驕り―自動車・男たちの産業史〈上〉 (新潮文庫)
覇者の驕り―自動車・男たちの産業史〈下〉 (新潮文庫)
新潮社,1999.

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July 7, 2010

「新成長戦略~『元気な日本』復活のシナリオ~」, 内閣府(続き)

先日、内閣府から―

「グリーン・イノベーション」、「ライフ・イノベーション」、「アジア経済」、「観光・地域」を成長分野とし、これらを支える「科学・技術・情報通信」、「雇用・人材」、「金融」に対しても強い経済を実現するための戦略を実施していく [1]。

ことが発表された。

これを参照に―
ベンチャー創出を含めて、科学技術の具現化がイノベーションの成否を決めるカギとなろう。画期的な発明や発見を実現させることとともに、それらを製品やサービスに仕上げて、その効用を広く社会に普及させることも重要になる。科学技術をイノベーションにつなげる具体的な出口戦略の実践が待たれる [2]。


また、将来に向けては(教育面):

「科学技術・イノベーション立国を目指すわが国は、基礎学力低下と理系人材不足という深刻な課題に直面している。」として、イノベーション創出の人材育成の2つの方向性を以下に述べている[3]。
①『理科好き』の人材の裾野を広げる
②グローバルに活躍できるリーダー、イノベーターを発掘・輩出*
*飛び級、先端研究開発、起業支援などを通して

さらに、論理的思考力の育成を別に挙げている。これは、理系文系は関係ない。



・・・大人も子どもも今まで以上に学習しないとダメなようです。



<参照元>
[1] 「新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~」
2010年6月18日,内閣府

[2] 新成長戦略とイノベーション
2010年6月29日,大和総研

[3] 『理科系人材問題解決への新たな挑戦』~論理的思考力のある人材の拡充に向けた初等教育からの意識改革
2010年6月29日,経済同友会

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