社会人MBA-技術者編

December 26, 2010

「プロダクト・イノベーションと経済成長:日本の経験」, 経済産業研究所

少子・高齢化のもとでの経済成長のエンジンは「プロダクト・イノベーション」である。

本レポートでは、「産業構造の変化による検証、ミクロデータによる事例研究、中間投入を通じてプロダクト・イノベーションの影響を分析した。」ものである。

知見の一つに―
「小売店の売上データを利用した事例研究では、プロダクト・イノベーションの根源的な制約が需要の不確実性であること、規制緩和は成長促進策となりえること」
を述べている。

最終的には、「新興国の中間層」をボリュームゾーンとして重要視している。


新興国をボリュームゾーンにするのであれば、これまでの日本型スタイル(プロセスよいうよりプロダクト重視)で十分であることを逆から言っているような気がするのですが・・・


(ご紹介まで。)


<参照元>
プロダクト・イノベーションと経済成長:日本の経験
RIETI Policy Discussion Paper Series 10-P-018
経済産業研究所, 2010年11月


Labels:


December 19, 2010

“設計”ってなんだ?

“設計って?”

と言われると、その回答は結構難しい。曖昧な部分もあり、設計部に属していても、研究開発行為が業務であれば、R&Dだと言った方がわかり易い半面、製品の形状やパッケージを設計していれば、デザイナーであろう。

日本的には、ポーターのバリューチェーン分析を参考にすれば、「技術開発」の“支援活動”に分類される。

ということは、工場にいる設計員は、“主活動”といわれる購買物流、製造、出荷物流や本社などの販売・マーケティング、サービスとの連携が欠かせなくなる。

実際にそうである企業は多いと思う。特に、電機メーカーでは、その昔、設計部が花形部署と呼ばれた部署であるため、今でも幹部の中には設計出身もいることであろう。




 ブログ運営者が“設計”について述べる多くの時、引っ張り出す書籍がある。それは―

で、その中で設計とは次のように述べられている。
(一つの定義として)設計とは、“何を達成したいのか”と“どのように達成したいのか”の相互作用である。(p17)

そして、設計者が実行すべき項目とは―

顧客ニーズを知り、その解決のための問題を設定し、統合を通して解を概念化する。そして、その解を最適化するために分析を行い、設計解を確認する(検証する)。」(同p17趣意)


さて、かつてGEが導入し、日本でも話題になった“シックスシグマ”であるが、そのプロセスとは―

「問題を定義(Define)し、その系を測定(Measure)する。そして分析(Analyze)改善(Improve)、効果を維持管理(Control)する。」というもので、それぞれの頭文字をとって“DMAIC(ディーマイク)”プロセスと呼んでいる。

研究部門や開発部門でさえ、分析フェーズ内に“仮説&検証”を考えれば、多くの組織の課題、問題を解決していくプロセスとは上記のDMAICに包含され、そして、それらは“設計”である、とは言い過ぎだが、問題、課題解決は、自然にこのようなプロセスに収斂していく。


今、日本も含め言えることは、大きくはお金の流れが変わってきている、ということである。であれば、お金の儲け方、蓄え方も変わっていく部分も大きくなっていく。


・・・設計変更が必要なのです。



<参考書>

Labels:


December 15, 2010

「クラウド時代に求められる大企業の戦略としてのコーポレートベンチャリング」, 富士通総研

クラウドコンピューティングの時代の企業間の競争とは、言い換えればプラットフォームの拡大競争である。

このような時に考えるべきコーポレートベンチャリングとは―

「アライアンス等を通じて社外のベンチャー企業を活用すること*」

を指す。
*社内ベンチャーを育成するためのプログラムを意味する場合もある。

企業規模の大きな企業においても「クラウドコンピューティングへの流れは変えようもない」ため、この戦略を考慮しなければならない。


戦略を考慮していくということは、それに伴い、従業員、組織へのアプローチも大切である。


(ご紹介まで)


<参照元>
クラウド時代に求められる大企業の戦略としてのコーポレートベンチャリング
富士通総研, 2010年11月19日

Labels:


December 12, 2010

研究・開発努力を無理に成果に結び付けない。

研究・開発成果を何でもかんでも製品・サービスへオンすればいいというものではない。

アスリートが鍛えた筋肉を無理に使い、(競技での)バランスを崩すように、例えば、企業が、サービスを重点的に行わなくてはならないのに、製品の機能を声高に訴えてしまうように、利益創出に絡む資源配分のバランスを崩してしまうだろう。

さて、製品・サービスを上市する前の全体会議では、多くは、いくつかの案件が提案される。それは、当該企業が目的とする製品・サービスの品質に対するアプローチの数でもある。

その中には、苦労して発見・発明した知見を盛り込んだものもあれば、単なる現状の技術のパッケージで格段にコストを低下させたものなど、おそらくは最終段階で2,3件が候補に挙がっている。


しかし、研究開発者、技術者らは、チームの苦労を見たり、聞いたりしているので、メンバーの努力を無駄にしないためにも、知見を盛り込もうとする案件を実現しようとする力が働くものである。

特許ということも考えられるが、それは、どのみち、製品・サービスが世の中に出なくては意味がない面もある。

チームメンバーの上司達も、研究成果を盛り込んだ案件が実現しなければ、部下の苦労も報われないことを知っているため(単に研究知見を深めただけの評価で実質上積みはゼロ)、頑張ってしまう。

ただ、企業は利益を創出しなくては意味がない。昨今の金融危機とまではいかなくとも、法律の改正や規制の緩和、厳格化など、当該企業の想定外の環境変化があるのもビジネスである。


なれば、現状の技術のパッケージで目的を達し、コストが引き下げられるのなら、そのオプションを選択することも大切な意思決定である*。
*もちろん、研究成果を盛り込んだ案件の将来価値が高ければ、それも魅力的だが、例えば製造業の製品の場合、導入コスト(現場での適応、顧客への教育、品質保証体制の変更など)がかかり、その分の資源を環境の変化に振り分けられない。


・・・“待機”は、“何もしない”ではなく、立派なオプションです。ただ、それが計算できてないだけのことです。


Photo by Maco

Labels:


December 8, 2010

「世界から見た日本の姿~グローバル化の反面教師 日本という現実」, マーサー ジャパン

日本企業は、過去の日本企業の成功の源泉や要因を冷静に見つめた上で、新しい環境の中で、新たな競争優位の源泉をもたらす組織・人事の姿を、新たなWayのあり方を、一から問い直していかなければならないのではないだろうか。

コラム執筆者は、Harvard Business Reviewでの日本を取り扱った記事をもとに、日本のグローバル化へ警鐘を鳴らしている。

日本のかつての強みが、弱みと転じている指摘は、気づきにくい点である。

もちろん、コラムの中で引用している論文を盲目的に肯定することには、懐疑的であるが、筆者は次のように締めくくっている。


自社のWayを各国のコンテクストの中で柔軟に解釈し実践していくマネジメントが必要である。

(ご紹介まで)


<参照元>
○「世界から見た日本の姿~グローバル化の反面教師 日本という現実
マーサー ジャパン, 2010年11月12日

Labels:


December 5, 2010

“最近の若者は・・・”という議論


内向き、下向き、後ろ向き

確かに、日本は閉塞感に覆われている。

そんな、状況であるゆえ、現在の若者といわれる10代後半~20代の方をはじめ“草食系”に代表される比喩が用いられたり、実際に、育った環境が失われた期間なので、そのような影響を受けている場合も多いかもしれない。

2001年から、産業能率大学が、主に新入社員を対象に行ってきたアンケートによれば*、やはり、「海外で働きたくない」が約半数を占めている。
*「第4回新入社員のグローバル意識調査」, 産業能率大学

この数字が云々ではなく、この回答の割合は2001年からの通算4度の調査で増加傾向であるということから、そういった論調も見られるのだが、反面・・・

「どんな国・地域でも働きたい」と回答した割合は27.0%であり、過去最高なのである。**
**調査方法の詳細は、レポートを確認ください。


頼もしい若者である。


国内にいても、意外なチャンスは語学にあり、「語学を勉強したいと思いますか」の問いに「すでに勉強している」と回答したのは19.7%であり、逆にいえば、約80%の人はしていない(もしくは企業が負担すればしてもいいと考えている)。


企業が負担してくれるならラッキー程度に考え、学習は、出来る限り自費で行うことが賢明である。


なぜなら、あなたの上の世代の人が語学を学びたいのですから、経費は回ってきませんものね。


・・・学習への投資は、裏切りません。


<参考>
第4回新入社員のグローバル意識調査」, 産業能率大学
*調査は、6月29日から30日の2日間、インターネット調査会社を通じて実施。今年4月に新卒採用(高卒・大卒等問わず)された18歳から26歳までの新入社員を対象にしており、サンプル数は400。

Labels:


December 1, 2010

「知の時代の到来」日本再生への提言, 経済産業研究所

失われた20年ともいわれる長期経済停滞から日本が再び躍動する社会に再生し、世界をリードしていくにはどうしたらいいのだろうか。

「多様性」―そのキーワードの中で、著者は、「集積」をひとつに挙げている。頭脳が集積すれば、種々のシナジーを生む。

これからは、多様性と自律性が本質的に重要で、あらゆる組織間、都市地域間、国際地域間において、知の交流と人材の流動化を活性化する必要がある。

将来的な日本についても―
産業集積、知的集積、知的クラスターなどを核とする独自の特色を持つ地域を、たとえば10ぐらいの連邦のようなかたちで作る。それらが競争、連携することによって日本中に知のルネサンスが起き、ひいては世界をリードするイノベーションの場となる可能性がある。

と言及している。


さて、企業においては、このレポートではないが、“頭脳集積”について述べている。

以下は知的財産研究所編, 『特許の経営・経済分析』, 雄松堂出版, 2007, 第5章 頭脳集積の必要性を参照。


それは、学術と関係性が深いバイオ技術分野の特許について調査、分析されたもので、特許の発明者とその特許に引用された学術論文著者所属機関の距離*は、中央値で約4,300kmであるが、特許の発明者間の距離はわずか31.7kmである、というものである。

* 距離は例えば東京―大阪間のような物理的な距離のこと。

この結果から、著者は―
特定の国や地域の近距離に頭脳が集積していることがその国や地域の産業競争力強化のために重要であるを示唆している。

とまとめている。


(ご紹介まで)



<参照元>
「知の時代の到来」日本再生への提言経済産業研究所, 2010年11月9日

<参考文献>

Labels: