目標値と現在値のギャップとは?

2011年3月6日

つれづれ

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企業という単位、また研究、開発というセクションの単位にせよ、中期的な計画は存在する。当該組織を憂う構成員の集まりであれば、なおさら、その策定は大切な作業である。


目標値と現在値のギャップを埋めるべく、種々の施策を策定、選択し、実行する。中期的な計画を策定した際のトップは、この成果を見ることはできない可能性が高いが(見れれば“中期”ではない)、その行為は“戦略的”である。

このギャップを“問題”だと捉えると・・・この言葉の持つニュアンスが、どうしても、予想より望ましくない結果を想定してしまうこともある。


要因が・・・原因を・・・、また効率的に・・・など、まるで(何か悪いことでもあったかのように)解決しなくてはいけない様な風潮となってしまう

もちろん、そのような場合に、とても良好な結果を生み出すこともあるだろう。


が、研究や開発の現場では、よく行われることだが―――目標値があり、ある特性が望大特性(=大きい数値の方が望ましい特性。自動車の燃費、製品の寿命など)だとすれば、それが、仮説を設定した値より大きな場合(=予想より望ましい結果)の場合でも、そのギャップを考察する。

これを怠ると、企業戦略などの場合、「単純に利益が目標値より多かった、よかった、よかった。」と、もしかしたら、次期以降の利益を先食いしているかもしれないなどの可能性を議論せず終わってしまう。

その場合、わざわざ、想定した値を達成した瞬間に、次期以降の敗因を作る必要はない。

とはいうものの、戦略的な事柄を決定する会議において、前の期の数%向上の議案承認を繰り返すだけでは、やがて組織が疲弊してしまう。


そういった意味では、長期的な視点からは、将来を“創造”または“構想”していくことも重要な責務となる。

現在と将来のギャップは、その中にある。


創造的破壊とは―

・・・新結合を遂行する経済主体としての「企業家」の機能を明確にし、かつそれが指導者機能(リーダーシップ)と結びついたときに、創造的破壊ともいうべき変革が起こるのである*。


*シュンペーター:経済発展の理論(2007.1)」,Ken-imai.comを参考。


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